So-net無料ブログ作成
検索選択

イジメは犯罪か?Should bullies be treated as criminals? [Social Policy]

引き続いて,Bullies and suicides の続編を載せます.

アメリカでは学校は決して安全な場所ではなくなっているという表現に驚きます.そして,いくつもの州でbullying を犯罪として刑罰の対象にしようという試みが続いているそうです.1年間の自殺児童数が4,400人にも上ると,何とかしたいと考えるのでしょう.
現在は48州がThe Anti-bullying Lawを定めて,主として初等.中等教育に責任を持つ全米で13,000以上あるSchool Districts,に各州で統一した取り扱いを求めているに止まるのです.

因みに,日本の文部科学省によると,平成19年度に自殺した136人の児童のうち、いじめが原因であると特定されたものは3件で18年度よりも3件少ない,とあります.隠れた実数はもっと多いという指摘はありますが,アメリカとはたいへん大きな差異ですね.それにしても,原因をイジメに特定した経緯がよく分かりませんが....

Recent federal statistics show that school has never been a safer place but that bullying remains a persistent problem: The U.S. Department of Education's most recent school crime and safety survey showed that from 2005 to 2009, 28% of middle- and high-school students reported having been bullied in school, and 6% said they were victims of cyberbullying, even as the number of students who said they'd been victims of theft or violent crime dropped.(最後尾に統計表が添付してあります)

しかし,アメリカで自殺に至ったBullying を犯罪と認めることには,いくつもの異論があるのです.
そのなかで注目されるのは,自殺した児童の親の側が,必ずしも,自分と類似した境遇の両親を再生したくはないという意見があるそうです
she told police she didn't want anyone going to jail for K.J.'s death. "I just didn't want somebody else's family to suffer," she said Monday.

自殺児童の逸失利益をイジメた側や教育機関に請求するというのも,アメリカでは聞かれないことです.それは自殺の場合,逸失利益の概念になじまないと考えるからですし,前述のアメリカの初等・中等教育を担う独立自治体で全米に13,000以上もある学校区には,大きな予定外支出の余力などまったくないからです.
(オーストラリアでは包括的自治体の教育機関に請求して稀にNegligenceとして認定された事例がありますが.なかでも有名な例として,10歳未満の2人の児童のイジメを,最高裁が逆転判決で認めた例があります.)

この論文"Should bullies be treated as criminals?"では,加害者の親に厳しい意見が展開されています.
いじめ学生 を作ったのは,その家庭だと論じられているのです.
Chambers said parents need to be held accountable for their children's hateful behavior. "A lot of people don't understand: These kids learned it from home."

しかし,これは自殺を招くいじめを犯罪としていじめ児童を処罰することへの,有力な反対論なのです.「自分達がイジメ児童を育てた覚えはないと言い切れる両親がどれほどいるのでしょうか?

いずれにしても,児童の自殺に至るイジメを犯罪行為と認めて立法化している州はないのですが.それは「イジメ」が100%「自殺」の原因と認める議論は成り立たず.あくまでその一因に過ぎないと位置づけされるからです.

日本では,いとも簡単に「いじめは犯罪です」,といわれますが,それはきわめていい加減な表現で,「いじめ」に含まれる暴行,傷害,脅迫,器物損壊,侮辱,名誉毀損などなどが刑法の規定する犯罪に当てはまる,というだけで,「いじめ」そのものが刑法に犯罪として規定されている訳ではないのです.百歩譲っていい加減な表現で「いじめ」は犯罪といっても,「喧嘩」はそれに当てはまらないというのですから,ほとんど選別困難で,実際に,犯罪行為として警察が出動する例はごくごく稀です.

大津の事件では,「殺人者」とか「人殺し」とかびっくりするような言葉が飛び交っていますが,なぜ,イジメをストレートに自殺と結びつけるのでしょうか.
アメリカではイジメで「自殺」を考えた100人の内1人しか実際には自殺していないといわれます

大津市では教育行政を巡って,教育委員会と新任市長とが権限争いを起こして混乱し,市長は,本来調査目的以外には一切使わないと歌って記入されたはずのアンケートを,学校や教育委員会に公表させ,別に,新たな調査委員会を作るそうですが,そこに訴訟当事者の一方だけに何か注文を付けさせるのは異常で,非常識で,不公正です

自殺児童の親の訴訟や告訴について「イジメをなくすのに役立てたい」といった美辞麗句が表現されていますが,世界的な例を見ても,「いじめ」が隠れて陰湿化することはあっても,「いじめ」がなくなることなどあり得ないでしょう.
「いじめ」についてそんな安易な認識の親がいたとしたら,児童の自殺予防にどれだけ正しい関心があったのか大いに疑われます.

市長は調査委員会を教育委員会にではなく市長直属で置くようですが,その設置の根拠が明らかでありません,本来なら,設置条例をきちんと制定し,調査権も明記してやるべきです.調査委員に調査員を付けて調査に当たらせるそうですが,その調査権限の根拠はゼロではありませんか.

市長は,既に損害賠償訴訟に和解を申し出ており,調査委員会に和解条件の根拠付けを求めたいようですが,委員の選任に訴訟当事者の一方だけの意見を取り入れた調査委員会の勧告に基づく和解条件では,裁判所や市民,議会の承認を得られる見通しは低いのではありませんか.

自殺児童の親側は,「いじめ」と「自殺」の因果関係に踏み込んだ市の調査委員会審議を望んだそうですが,それは,全然,筋違いで,しかも無理な話です.
何故なら,アメリカで自殺を招くイジメを犯罪として法律化しようとしても出来ないでいるのは,どこまでいっても「イジメ」は自殺の一因としか認めようがないからです.

せいぜい出来ることは,自殺に追い込まれようとする児童の内面の悩みに寄り添って,自殺を押しとどめることですが,調査では,今回,何故それが出来なかったかを実親,親族そして学校関係者について明らかにし,広く自殺予防に役立てることを期待します.
換言していえば,調査委員会は,何故,自殺児童が,アメリカの例で現実に自殺を考える100人のうち,それを実際に実行する1人に入ってしまったのかを,きちんと調べるべきです.
イジメ児童の親がイジメ児童を育成したとしても,自殺児童の親が一方的な被害者で善意の第三者ないし傍観者でよかった筈はないのです.大津市庁舎に親が児童の遺影を持参したという報道に,耳を疑いました.自分も関係者で児童の自殺に責任の一端があるとは,まったく考え及ばなかったのでしょうか.

調査委員会でも,訴訟審理でも,あくまで「いじめ」は自殺の一因に過ぎないという世界の常識的理解を前提に審議・審理されることを切に期待するものです.

参考までに,これまでの日本における判例では,「自殺予見可能性」(上記オーストラリアの例でNegligence)の有無という形で,学校側の責任を否定している場合があり,自殺した児童の親(原告)が適切な自殺予防の対応を取らなかった場合,0~10/10といった責任割合を認定して,賠償や慰謝料を否定ないし割引いています.
つまり,民事訴訟の焦点は,学校側の「自殺予見可能性」と「自殺児童の親の自殺予防対応の程度」の2点なのです.

1例を挙げますと,葬式ごっこの色紙に教師が4人も署名していたことで有名な東京都中野区富士見中学校の自殺事件(1986)で,東京高裁はいじめと自殺の因果関係を認定しながら,学校側の予見不可能として,自殺損害への賠償は否認し,東京都,中野区,いじめ児童の両親に,慰謝料1000万円+弁護士費用の支払いを命ずるに止まりました.

大津の事例でも,担任の軽々しい発言からすると,どう見ても,自殺の可能性を予見していたとは考えられないのではないでしょうか.事の善悪ではなく,判例に見るとおり.認識がなかった者に責任を負わせることは出来ないだろうということです.教師は聖職者だとか専門職者だとか勝手なイメージを押しつけても,始まらないでしょう.
また,「自殺児童の親の自殺予防対応の程度」は,これまでのその言動,とくに自分は全くの被害者,犠牲者だという言動を見る限り,ほとんどゼロだったのではないでしょうか.

この2点は,「イジメ児童」の処遇にも,決定的な重要性を持つと考えます.学校側の「自殺予見可能性」がきわめて低く,自殺児童の親の自殺予防対応がほとんどゼロだったとすれば,「イジメ児童」だけが不利益な処遇を受ける理由は限りなく乏しいと考えるからです.

他方では,今回,刑法上の暴行行為を警察が認定して,家宅捜索で内部文書の筈のアンケートを押収し,教師,児童からの聴取に入ったようですが,それは日本の警察がよくやる別件捜査・捜索(別件,この場合競技場での児童拘束,暴行を掲げて,本星は「いじめ」と「自殺」の因果関係を捜索するという全然不公正な日本的やり方)をやっているもので,もし,そこから実際に「いじめ」と「自殺」の因果関係を判断するとしたら,既に司法の民事訴訟審理が始まっている事案について,行政警察の違憲といえる越権行為になるのではと考えます.
警察は捜査機関に過ぎないのですから,捜査資料を検察庁や家庭裁判所,児童相談所等に送る権能しか持ち合わせていないはずです.少年や児童にかかわる内容の漏洩が許されないのは.いうまでもありません.

聴取している児童のなかには,裁判所の証人として喚問される可能性がある児童も含まれるだろうことを,警察はどう考えているのでしょう.弁護側が,児童の法廷証言は事前に警察に誘導された可能性があると争ったら,どう対応するのでしょうか...

とにかくこの事件は,自分の児童保護責任を棚上げして100%被害者ぶった自殺児童の親とマスコミと野次馬連が合体したところに,客観性,独立性を放擲して警察も市長もすんなり乗ってしまったことで,必要以上に問題を巨大化,複雑化,長期化させてしまったと考えるものです.

特に校内アンケート(本来外部に公表しないという守秘義務を歌って記入されたはずのモノ)の公表は,今後,全国的に学校や教育委員会の調査活動を著しく困難にしたと思われます.市長は3時間も教育長と膝詰め談判をして,敢えて公開させたそうですが,これは独立した行政委員会の教育行政に対する明らかな越権行為です.

さらに,教育委員会は自殺児童の親の問題を提起しているのに,市長がこれを理由説明なしで無視し,調査委員会にも触れさせないとしているのは,まったく理解に苦しみます.
市長自身がいじめられっ子だったそうですが,まるで自分の体験をここに投影させているかのようですしかし今回の自殺児童の親の言動に偏向した不公正な取り扱いは,やがて市議会からも説明要求があるでしょうし,その如何では,市議会に調査委員会経費支出を否認されかねず,市長の和解条件(恐らくはある程度の支出を伴なう)も否認されかねません.

弁護士資格も経験も重ねた市長がいったん行った和解の意思表示は,当初は,事態の早期終結を願ったものとして理解できましたが,その市長が一転して事態解決の見通しをすっかり先送りしてしまったのは,いったい何故でしょう.それではまるで偏向した職権濫用ではありませんか.

それらによって,何よりも,長期に亘って,イジメ児童のみならず,傍観児童,垣間見児童等多数の児童を,本来,外部に漏れないと考えて記入したアンケートを基に,入れ替わり立ち替りの調査,聴取にさらして,不安な心理状態に据え置くことのそれぞれの児童の一生に亘る大きな大きなマイナス面を考えると,膨らみ続ける大人達関係者のエゴイズムとスタンドプレイに,たいへん心が痛みます.

終わりに,念のためいいたいことは自分の息子の自殺を止められなかった親が,懸命になって演出しようとしているいわば「復讐劇」のステージに,マスコミ報道後から関与してきた市長,滋賀県警,調査委員会は,過去の経験にとらわれず,決して乗るべきではないということです.
過去の出来事への復讐は,将来に向かって何ものも生み出すものではないからです.

これまでの経緯で既に必要以上に心を傷つけられてきた児童のさらなる犠牲は,もう誰も望むところではないというべきではないでしょうか.

なお,アメリカでは,常時,約1000人の教師が担任を外されて,待機中だといわれていること,他方では,約16万人もの児童がいじめを回避すべく通学を控えていること,を付言しておきます.

日本でも.もっともっとイジメを避ける怠学が増えれば,マスコミの無責任な特定児童問題の巨大化以上に,学校,教育委員会,文部科学省に,いっそう真剣な対応を迫ることになるのではないでしょうか
日本で怠学の増大が見られないのは,自殺志向に近づいた児童の親の学校任せから来る不注意,無関心からではないでしょうか.今回の大津市の事例が,全国的に,学童の親の児童への関心の向上に役立てば,一抹の救いになるのではないでしょうか.
そのためには,文部科学省が,学校は決して安全なところではないと,アメリカのように警告を発したら良いのではないでしょうか.
イジメ問題でいたずらに学校や学童を萎縮させるより,もっと親に責任を持たせた方が,問題の緩和と学園の自由闊達な雰囲気の助長に大きく寄与すると考えるモノです.

付言しますと,市長やマスコミから一方的に批判されてきた教育長が,他県から来た大学生の無分別な一撃に大怪我をされたことは,まことにお気の毒なことです.
ここまで,児童自殺の一因に止まる問題を一方的な悪玉vs善玉の構図として不必要に巨大化させてしまった関係者に,大いなる反省を求めたいと考えます.

 

 

Should bullies be treated as criminals?

 

What can be done?

Recent federal statistics show that school has never been a safer place but that bullying remains a persistent problem: The U.S. Department of Education's most recent school crime and safety survey showed that from 2005 to 2009, 28% of middle- and high-school students reported having been bullied in school, and 6% said they were victims of cyberbullying, even as the number of students who said they'd been victims of theft or violent crime dropped. About one in 16 students surveyed said he or she was bullied at school "almost every day." Among seventh-graders, nearly one in 10 was bullied every day.

As in many bullying cases, Phoebe's suicide raised questions about how effective her school had been in keeping her safe. In the fall of 2009, Phoebe, a recent immigrant from Ireland, and her mother talked to school counselors about Phoebe's bullying difficulties in Ireland.

Rosalind Wiseman, the author of the 2002 book Queen Bees & Wannabes, a bestseller about teen girls' relationships that was the basis of the movie Mean Girls, said the district attorney in Phoebe's case "chose very carefully" how she charged the teens. "What I wish she had done was hold the adults responsible."

Wiseman met with teens at Phoebe's school after the suicide and found that quite a few "were really jaded" about the case. "Certainly the adults created the culture in which (bullying) was allowed to thrive." A consultant to schools trying to address bullying, Wiseman said students often tell her that administrators turn a blind eye to complaints if eyewitnesses aren't present. She regularly meets parents who "get crazy-angry" because their kids' bullying complaints go unheeded.

"They feel like they're sending their child into a system that's supposed to keep them safe, but it's actually the biggest risk to their child's safety," she said.

Though Phoebe's case didn't send anyone to prison, it had the intended effect, said Cole, the Massachusetts attorney. None of the six students returned to the school. The case "definitely acts as a deterrent to others." Cole and other civil rights experts worry about dragging too many young people into court, but he says, "There absolutely are times when you need to get the criminal justice system involved."

K.J.'s mother, Jeannie Chambers, isn't so sure. Though police and the county prosecutor won't talk about the case, Chambers says she doubts anyone will be charged. In fact, she told police she didn't want anyone going to jail for K.J.'s death. "I just didn't want somebody else's family to suffer," she said Monday.

Four classmates were disciplined for anti-gay bullying directed at K.J. before his death. Chambers said that she believes their behavior directly contributed to his suicide but that the four have already been subjected to withering criticism from classmates. Chambers told police she hoped the students received counseling, not jail time. "I didn't want somebody else to — how do I say it? — go through what my son went through."

Echoing Hall's proposed legislation, Chambers said parents need to be held accountable for their children's hateful behavior. "A lot of people don't understand: These kids learned it from home."

 


nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

トラックバック 0

この記事のトラックバックURL:
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。